# X11 世代の Supermicro に Nutanix CE を立てました

2026-09-23

![Nutanix Prism CE のログイン画面](prism-login.png)

普段使っている仮想化基盤は Hyper-V ですが、Nutanix[^nutanix] を使う友人の影響で CE を試してみることにしました。
Nutanix の Community Edition (CE 2.1) を、オークションで買った X11 世代の 2U Supermicro (X11DPU 搭載機) に載せて動かしています。
NX アプライアンスの中古はあまり流通しませんが、Supermicro のエンタープライズ 2U 機は単体で市場に出回っています。
届いた実機には Nutanix 想定の SAS HBA が付いていなかったので、いまは手元の RAID カードで暫定運用しています。

## 汎用の Supermicro を選ぶ理由

X11 世代の NX アプライアンスは Supermicro 製で、ボードは市販の X11DPU / X11DPT-B / X11SPW と同世代です。
NX SKU の完成機は中古市場だとあまり見かけず、たまに出ても高値ですが、素の X11DPU 搭載機はオークションに転がっています。
今回のハードは公式 HCL 外ですが、AHV[^ahv] + AOS[^aos] + Prism Element[^pe] まで起動しました。
作成した単一ノードクラスタ上には、Prism Central[^pc] のゲスト VM もデプロイできました。
ただし起動することと、シャーシのベイをちゃんと使えることは別の話で、後者はストレージコントローラの種類やバックプレーンとの接続構成に左右されます。

## MegaRAID 3108 の JBOD で暫定運用する

今回のシャーシは 12 ベイの SAS バックプレーンを持ち、SAS コントローラは別に挿す構造ですが、届いた個体には付いていませんでした。
手元に転がっていた別のタワー機から抜いた RAID カード (MegaRAID SAS3108, PCI ID `1000:005d`) しか SAS 側の持ち合わせがなかったので、暫定でそれを挿しました。

MegaRAID を既定の RAID モードで使うと、OS からは物理ドライブではなく Virtual Drive が見えます。
そのため、Phoenix[^phoenix] / Nutanix から物理ドライブを個別には扱えません。
対象ドライブを `Unconfigured Good` にした上で JBOD を有効にすれば、個別デバイスとして生えます。
今回使った 512e の SATA SSD は JBOD 経由で認識され、CE 2.1 の単一ノードクラスタを構成できました。
もともと SAS 12 ベイに挿す予定だった SAS HDD は 4Kn ネイティブで、MegaRAID 3108 が Unsupported 扱い (`UGUnsp`) で弾くため使えず、今の SATA SSD 構成は代替の暫定です。
確認した Nutanix の資料では対応ドライブが 512e または 512n とされており、4Kn 対応は確認できませんでした。
非サポートっぽいですが、HBA を差し替えたあとに 4Kn HDD もリトライしてみようと思います。

## SAS3008 IT モードの HBA に交換予定

NX アプライアンスの X11 世代 (NX-1065-G6 / NX-3060-G6 など) では、Supermicro ボードに LSI SAS3008 (PCI ID `1000:0097`) の IT ファーム版 HBA が使われているとされています。
CE の Phoenix もこの構成なら追加設定なしでストレージを組めます。
MegaRAID の JBOD は暫定構成であり、今後は SAS3008 IT モードの HBA と、対応を確認できた 512e または 512n のドライブに揃える予定です。

今回手元にあった MegaRAID は SAS3108 という別チップで、IT モードに焼き直すファームがそもそも存在しません。
OEM 版のファームはコントローラを HBA モードに切り替える操作を弾くことが多く、手元のカードでも `storcli` から `set personality=HBA` は `Un-supported command` として拒否されました。
Nutanix 想定の HBA 構成に揃えて SAS 12 ベイを使うには、SAS3008 系の HBA カードへ差し替える必要があります。
Supermicro の AOC 形状 (`AOC-S3008L-L8e` など) と、標準 PCIe 形状 (`LSI 9300-8i` など) は、どちらも SAS3008 IT モードの HBA として候補になります。
実際に使うカードは、内部コネクタやバックプレーン側の配線に合わせて選びます。

| カード | 中身 | 出荷モード | ドライブ個別認識 | SAS3008 IT 構成 |
|---|---|---|---|---|
| AOC-S3008L-L8e / LSI 9300-8i | LSI SAS3008 HBA | IT | ○ | ○ |
| AOC-S3008L-L8i | LSI SAS3008 HBA | IR | △ (IT 化で ○) | △ (IT 化で ○) |
| AOC-S3108L-H8iR / LSI 9361-8i | LSI SAS3108 MegaRAID | RAID | △ (JBOD で ○) | × |

AOC-S3008L-L8i など、IT ファームへの書き換え実績がある SAS3008 搭載カードなら、`sas3flash` で IT 化して L8e 相当で使えます。
オークションで安く出ている個体を IT 化して流用するのは現実的な選択肢ですが、購入前に正確な型番と書き換え手順を確認するのが安全です。

[^nutanix]: HCI 製品を提供する企業およびブランド名。本記事で扱う Community Edition では、分散ストレージの AOS、ハイパーバイザーの AHV、管理機能の Prism を一体として試用できる。

[^ahv]: Nutanix の hypervisor。KVM ベースの Nutanix 独自ディストリビューション。Acropolis Hypervisor の略。

[^aos]: Acropolis Operating System。各ノードの CVM (Controller Virtual Machine) 上で動く分散ストレージ + 管理サービスの総称。Stargate や Cassandra 等が構成要素。

[^pe]: Prism Element。各クラスタに組み込まれ、そのクラスタの構成、監視、管理を担うサービス。Web UI や API を提供する。複数クラスタを一元管理する Prism Central とは別のコンポーネント。

[^pc]: Prism Central。複数の Nutanix クラスタを一元管理するための管理コンポーネントで、通常は専用 VM としてデプロイする。単一クラスタでも、Prism Central が提供する機能を使うために導入できる。

[^phoenix]: Nutanix のインストーラ。ISO / USB からノードをブートして AOS と AHV を配置する。CE 版と商用版 (Foundation VM から imaging される) がある。
